Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lisez 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 368 567 caractères · 720 écrans

Aozora Bunko

。

それを知らないのか、この野郎、そうなった日には尾上山の時とは違って、もうおれの力ではどうすることもできないぞ。

だが、この時の当人の身になってみると、その惨酷なる思い出の故郷の山を、こう眼前に見せつけられているよりは、ここから落ちて、微塵に砕けて、消え失せた方が、遥かに痛快なのかも知れないのです。

いずれにしても、危険の刻々に迫るのを見て取った道庵は、ほとんど畢生の力を出して、抑えてみたが、前にいう通り、道庵の力では相撲にならない。前へ、前へと乗り出して行く米友の力――それはまことに怖るべきもので、さしもの道庵が周章狼狽、為すべき術を知らず――

「誰か来てくれ――助けてくれえ」

思わず絶叫した時に、あわただしく階段を登り来る人の足音、

「先生、どうなさいました」

「早く、早く、何とかしてこの男を、飛ばさねえように……」

「いったい、どうしたのです、先生」

「どうしたも、こうしたもねえ、この男の足をおさえておくんなさい――下へ飛ばせねえように……」

「何が何だか、わかりませんが」

といって、わからないなりに米友の足をおさえたのは、いまあがって来た別の一人――頭が丸くて十徳姿、お数寄屋坊主とも見られる――それはいつぞや、木曾の寝覚の床で、道庵と昔話の相手をしたその僧形の人体にも似ているようなのが、力を合わせて、必死と