Classiques japonais avec furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lisez 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 214 131 caractères · 423 écrans
街道筋の地勢や要害を指さしながら、土地案内の与力同心に聞いてみたり、自分の意見を述べてみたりしました。時々諧謔を弄して一行を笑わせたりしました。それで話の花が咲いて、登りの時より一層賑やかになりました。強いて口を噤んでいた与力の連中もまた談話中の人となって、疲れた足を引きずりながら、息をはずませて気焔を上げていました。
山腹の左の方から渓水が湧き出て滝のように流れています。それが深い谷に落ちて淵になったり、また岩に激して流れ出したりする変化が面白い。その渓水を幾十曲りもして見ると、向うに二軒の茅屋が見える。その前に板橋があって、渓水がそこへ来て逆に流れている景色がなかなか面白いから、一行はそこで暫らく立って景色を見ていました。すると駒井能登守が、
「あれ見よ、あの家の後ろを怪しげな男が通るわ」
と言いました。一同は谷川の景色ばかり見ていたのでしたが、能登守にこう言われて、前の山の二軒の茅屋のところに眼をうつすと、そこを一人の旅人が急速力で、サッサと歩いて行くのを認めます。菅笠を被って道中差を差して、足ごしらえをしてキリリとした扮装で、向う岸の茅屋の後ろを飛ぶが如くに歩いて行きます。