Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lisez 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 242 044 caractères · 477 écrans

Aozora Bunko

「御老女様のお屋敷に、お世話になっておりまする」

「御老女様?」

これも福村には頓に合点がゆきません。しかし、店頭を離れてから、福村が、

「ともかく珍しい、ぜひ遊びにやって来給え――ええと、拙者のところは小石川の茗荷谷、切支丹屋敷に近いところで、いやに傾いだ長屋門を目安に置いてたずねれば直ぐ知れる。君のお師匠様も一緒にいるよ」

「え、お師匠様が?」

お松はギョッとしました。

やがて夕方になると福村は、しばしば標榜していた通り、茗荷谷の切支丹屋敷に近い長屋門のイヤに傾いだ一方に、福村の名を打ってある、己れの屋敷へ戻って来ました。

帰って見ると、お絹は火鉢にもたれながら、しきりに絵本に読み耽っているところであります。丸髷に結った、いかにも色っぽい後家さんといった風情。

「やれやれくたびれた」

その前へ無遠慮に胡坐をかいた福村。

「お帰りなさい」

お絹は絵本を畳の上へ伏せて、乳色をした頬に、火鉢のかげんでぼーっと紅味のさした面を向けて、にっこりと笑う。

「おみやげ」

「なあに?」

福村は懐ろからふくさ包を取り出して、

「通油町の鶴屋で、それ御所望の六歌仙、次に京橋へ廻ってわざわざ求めて来た仙女香」