Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しっちょうき
失蝶記
山本 周五郎
Lisez 失蝶記 (しっちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 072 caractères · 44 écrans
ちょうど妹が食事の膳立てをしているところでしたが、私は妹を去らせ、食膳を押しやって筆談の用意をすると、梓は「まず食事を済ませて下さい」と書いてみせました。それで私は膳に向ったのですが、梓の顔色で、これは真壁の件だな、と直感しました。食事をしているあいだ、梓はしきりになにか書いてい、私が膳を片づけてから、梓と自分に茶を淹れて坐ると、書いたものを私に渡しました。思ったとおり真壁綱のことです。
「真壁はあなたに任せると、一同の意見がきまりました」とそれには書いてあった、「――彼は今夕六時から、西山の隈川別墅で仙台藩の者と密会します、あまりに早急であなたには不都合かもしれません、しかし密会には供を伴れず、一人でゆくということですから、やるとすれば絶好の機会ですが、やるやらぬはもちろんあなたしだいです」
私は読み終ってから梓を見ました、「隈川さんは変節したのか」
隈川兵庫は老臣の中でも、われわれが頼みにしていいと信じていた一人なので、私にはちょっと不審に思えたのです。
「そうではありません」と梓は書きました、「西山の別墅はずっと留守で、家僕のほかに人はいません、真壁はそこを覘ったのでしょう、隈川別墅ならわれわれの監視もあるまい、そういう肚ではないかと思います」