Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lisez 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 739 caractères · 23 écrans
三
藤波金三郎が自腹を切って、お染のために安らかなベッドを提供したと言った方が、その間の事情の正しい説明になります。
さて駅前の宿屋に入った二人は、恐ろしい混雑の中で、四畳半一と間をあてがわれて、新婚旅行の夫婦者のような待遇を受けたことは、まことに当然過ぎるほど当然のことでした。ところが、わが藤波金三郎は、命にかけて恋をした娘と、不可抗力的な事情で、一つの部屋に眠る気になれなかったので、帳場に交渉して、二つの部屋を要求したこともまた、藤波金三郎としては、まことに当然のたしなみだったのです。
番頭はそれを鼻であしらったことは言うまでもありません。宿屋は不意の旅客で恐ろしく混んで居りました。そして藤波金三郎は、お染に対して、散々謝まった末、四畳半に二つの床を並べたこともまた当然の成行だったのです。
三
その晩の藤波金三郎の懊悩がどんなに真剣で、そして凄まじいものであったかは、同じような経験を持たれた方は、きっと同情して下さるでしょう。
その頃の留学生――わけても未婚のままで外国へ出かける青年達の、一番大きい悩みというのは――紳士淑女諸君の前も憚らずに、あけすけに申し上げる非礼を、どうぞお許し下さい。