Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 545 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

三

「お綾殿は? お綾殿はそれを承知か」

妻木右太之進は、僅かに一脈の望みにすがりつきました。

「悉く承知だ、進んで嫁入すると言うのだ。いや、喜び勇んで嫁入するのだな」

「――――」

「その事を一応貴公達の耳に入れたいと思ったが――二人の心持を考えて、ツイ言いそびれてしまったのだよ、――悪く思ってくれるな。サア、話が解ったら、刀をしまったり、人が見ては宜しくない」

山ノ井金之助に注意されて、幸いに血を見なかった刀を納めると、急に張り詰めた気が弛んだものか、二人は其まま、ヘタヘタと捨石の上に腰をおろしてしまったのです。

「それでよし、元々貴公達は、莫逆の仲ではないか、一婦人のために、刀まで抜き合うとは何んたることだ」

山ノ井金之助の世間並な忠告を、二人は空耳に聴いて、勝手なことに考え耽って居たのです。

三

秋月九十郎と妻木右太之進の、失恋の悩みは果てしもなく続きました。

そのうちに、組頭伊奈長次郎の娘お綾は、駒込の大旗本、大森摂津守六十二歳の内室に納まり、この造化の大傑作とも言うべき名玉は、永久に魅惑的な姿を隠してしまったのです。

弱気の妻木右太之進は、夜となく昼となく寝て居りました。