Classiques japonais avec furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lisez 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 150 254 caractères · 300 écrans
にせの腕といっても、あついビニールでつつんであるので、人間の腕と同じように弾力がある。それに、洋服の腕のところだけをかぶせ、手袋がはめてあるから、まっ暗な中では、とても、気がつくものじゃない。ウフフフ……。
右の手に四人、左の手に三人、チンピラどもが、取りついてはなれない。夜光人間は負けたようにみせかけて、チンピラどもに、ひっぱられていったが、おもいきりひっぱらせておいて、にせの手を、パッとはなしたのだ。
チンピラどもは、将棋だおしさ。いきおいあまって、かさなりあって、たおれてしまった。
それでも、まだ気づかないで、二本のにせの腕にしっかりだきついたまま、たおれている。そのすきに、夜光人間は、闇にまぎれて逃げだしてしまったのさ。ハハハハハ……、どうだね、夜光人間のこの腕まえは、すばらしいとは思わないかね。え、マユミさん。」
そのとき、男が大声で笑った顔の恐ろしさ。お面のような顔に、キューッと大きなしわがよって、グニャグニャと、異様に動くきみわるさといったらありません。
マユミさんは、まっ青になって、おもわず長いすから立ちあがりました。
「あんたは、だれなの? いったい、だれなの?」