Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちぎりきぬ

契りきぬ

山本 周五郎

Lisez 契りきぬ (ちぎりきぬ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 757 caractères · 66 écrans

Aozora Bunko

猿山というのはこの城下から北に当る。太田川の支流の浅井川というのを三里ばかり遡のぼった、谷あいにある温泉場で、胃腸によく効くといわれ、まわりが紅葉の名所であるのも加えて、かなり遠くからも湯治客が絶えず、宿も三十軒ばかりあって繁昌していた。『みよし』の女あるじの、慥か叔母かなにかに当るひとが、その猿山のかなり大きな温泉宿ののちぞえにいっていて、秋になると遊びにゆくのだということをおてつが云っていた。

――十月になると山鳥だの鶫だのがうんとこさ獲れるんだよ、そのまた美味いったら、……三度三度、あたしゃ幾日食べても飽きないね。

そんな話もたびたび聞かされたものだ。

「するとその宿の主人が」伊代は可笑しそうに続けた、「――大事な客だと思っていたのでしょうね、自分で盤だの駒だのなんぞ運んで来て、ひとつ拝見を、……って側へ坐ったのですと」

二人はまだ覚えたばかりで、ひとに見られるのは迷惑だった。しかし主人は動くようすがないので、しかたなしにともかくも駒を並べた。さて並べ終ってみると、互いの飛車と角が同一の筋にある。

――おい北原、おまえ飛車と角があべこべじゃないか、角がこっちだろう。