Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちぎりきぬ
契りきぬ
山本 周五郎
Lisez 契りきぬ (ちぎりきぬ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 757 caractères · 66 écrans
二の二
――どうしてあのときあのように見えたのだろう、まるで正二郎さまそっくりに見えたと思ったのに、……これが気の迷いというものかしらん。
しかしそれで却って気持は軽くなった。心のなかで大切にしてきたひとと、おもかげがそれほど似ているとしたら、決心したことをやりとげることはできなかったかもしれない。今はそんなたじろぎはなかった。おなつは、寧ろ自分で自分を唆しかけながら、その機会の来るのを待った。
二の二
機会は一つしかない。友達とどこかで会合して、夜おそく酔って帰る、それがもっともよい機会である。おなつはすぐにそうみてとった。ときにはずっと更けて帰ることもあるし、そんなときには伊代に代って寝所の世話もするから、ごく自然に事がはこびそうであった。
けれどもおなつは決していそがなかった。伊代から貰ったじみな着物や帯を、さらに出来るだけじみに着、伊代がすすめる化粧もせず、髪なども眼立たない古風な結いかたをした。
「どうしてそんなふうになさるの、若いひとは貴女だけなのだから、少しは家のなかが華やぐように、娘らしい身じまいをなさいな」
伊代はこう云って、ときどき自分で髪をあげて呉れたりした。