Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じょよう

女妖

江戸川 乱歩

Lisez 女妖 (じょよう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 691 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

彼がまだ悪事を働かない前、やはり銀座で、行きずりに三度会ったことがある。三度ということをハッキリ覚えていた。一度は彼女が落とした黒い手袋を拾ってやったことがある。その時、彼女は美しい唇で「ありがと」と云って彼の顔をじっと見た。どこか贅沢な家庭の奥さんらしいが、その顔と姿は、いつまでも忘れられなかった。

浩一はフラフラと、その喫茶店へはいって行った。婦人のそばまで行って、となりのテーブルに席をとった。そして、婦人の顔をまじまじと見つめていた。すると、ふしぎなことが起った。まるで、お伽噺のような、ふしぎなことが起った。その美しい婦人が浩一にニッコリ笑いかけたのだ。

「前に二三度、お目にかかったわね。よく覚えているでしょう」

浩一はドギマギした。こんな親しげな口をきいてもらえるとは、想像もしていなかった。それに、先方でこちらをよく記憶していてくれたことがわかって、ジーンと耳鳴りがした。顔が赤くなったのが意識された。

「こちらへ、いらっしゃらない? あなたの目、今日は変よ。何かあったんじゃない?」

顔で隣の椅子へ来るように合図されたので、浩一はそこへ移った。