Classiques japonais avec furigana
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よめとりにだいき
嫁取り二代記
山本 周五郎
Lisez 嫁取り二代記 (よめとりにだいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 763 caractères · 23 écrans
「すると葉牡丹ですか」
「貴様……この、――」
と眼鏡を掴みとったが、恐ろしく太い鼻息を洩らすと、吐出すように呶鳴った。
「石斛じゃ、石斛というんじゃ、よく見ろこれを、――芙蓉や葉牡丹などとは茎も葉もまるで違うわ、違い過ぎるわ馬鹿馬鹿しい」
「こっちは何ですか」
けろりとしている。
「――知らん」
「はて何だろう、――こうっと、ああ分った、これは御自慢の真柏です、今度は当りましたろう」
「それがどうした」
「してみると拙者にも植木の一つや二つは、満更分らぬ事もないと云う訳ですな、はっはっは、――時に、真柏で思い出しましたが、瀬沼老ひどく口惜しがっていましたよ伯父上」
「――何を?……」
「残念だが牧屋には敵わぬ、わしも真柏では苦心をしたが、とても牧屋ほど立派な花は咲かされぬと」
「馬鹿野郎!」
勘兵衛は喚いた、「誰がどう苦心をしようと真柏に花が咲くか」
「そ、それは不思議……」
「貴様の方がよっぽど不思議だ。これ、――こっちへ向いてみろ!」
勘兵衛は眼鏡をかけて、甥の顔を穴の明くほど瞶めていたが、
「貴様、また何か強請るつもりだな」
と云うのを隙さず、
「伯父上、助けてやってください」