Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans
あるきながら彼はつぶやいた、「海産食品は幾つも大会社が経営しているし、中には発展したあまりにプロ野球のチームまで持っている社さえあるじゃないか、それなのに川魚専門の事業に手をつける者がない、というのはふしぎじゃないか、もっとも、だからこそこのおれにチャンスがまわってきたんだが、いやどうして、こいつは間違いなしに当るぞ」
春彦はまず自分で売り子になって、着実に客をつかんでから、しだいに売り子をふやしてゆき、販売網を確保する一方、近県に養魚場を作って、立体的経営に乗りだそうと決心し、その秀抜な着想と確実な成功率とを思いながら、独りでわくわくし、さも誇らしげに幾たびも首を振るのであった。
さてその日の午前十時ごろ、土川春彦は山の手にゆき、中級住宅街のバス・ストップの脇で荷をひらいた。――彼は熟考のうえ、近県から来た農夫かとみえるような服装をし、言葉にもなまりを付け加えることにした。古着屋で買った古半纏に股引、ゴムの長靴、手拭のほお冠りという拵えで、背負い籠の中から、生きた鮒のはいったホーローびきの四角な容器と、やはりホーローびきで、生きた鯉のはいった桶形の容器を取出し、その二つをプラタナスの並木の下へ並べて、客を待った。