Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans
僕は蔵の窓からあの人が鬼瓦を割っているのを見たよ。無論何も出やしなかった。併し、そのお蔭で僕は、暗号を解く手がかりが出来たんだけれど」
私はそれを聞くと、何だか自分が笑われている様に感じて、思わず赤面した。
「馬鹿ですね。僕はそこへ気づかなかったのです。すると丁度鳥居の影が石地蔵に一致した時、鬼瓦の影の射す場所を探せばいい訳ですね」
私は、諸戸が私の時計について尋ねたことを思い出しながら云った。
「間違っているかも知れないけれど、僕にはそんな風に思われるね」
私達は長い道をこんな、会話を取交わした他は、多く黙り込んで歩いた。諸戸が非常に不愛相で、私を黙らせてしまったのだ。彼は父親を押籠めた不倫について考えていたに相違ない。父という言葉を使わないで、丈五郎と呼び捨てにしていた彼ではあるが、それが親だと思うと、打沈むのはすこしも無理ではなかった。
私達が目的の海岸へ着いた時は、少し時間が早過ぎて、烏帽子岩の鳥居の影は、まだ切岸の端にあった。
私達は時計の捻子を捲いて、時の移るのを待った。
日蔭を選んで腰を卸していたけれど、珍らしく風のない日でジリジリと背中や胸を汗が流れた。