Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まごしちとずんど

孫七とずんど

山本 周五郎

Lisez 孫七とずんど (まごしちとずんど) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 189 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

家の中から出て来た男はきわめて漠然たる眼つきでみんなを見まわした、胸の厚い骨組みのたくましいみごとなからだである、眼も口も鼻も大きい、耳も大きい、眉毛もあざやかに黒ぐろと太い、雑作がなにもかも大きくできている、それが実に漠然たる感じでぬうっと立ちはだかったのは壮観だった。

「やあ孫七ではないか、おう孫七だ」ひとりがようやく相手を見わけてそう叫んだ、それがもういちどみんなを仰天させた、「本当に孫七だ、いったいきさまどうしたんだ」

「おれか、おれはどうもしないよ」

「どうもしないと云って、きさま今までこの中でなにをしていたんだ」

「寐ていたのよ……」

「あきれたやつだ、みろ、もう潰れかかっているぞ」

「……だから出て来たのよ」とかれは事もなげに云った、「つまり、寐ているところへ長屋が潰れると、あぶないからな」それからかれは大きな眼で宙を見あげ、手を額に当てながらおもむろに云った「雨だね」と。これがわが柿ノ木孫七郎である。

榊原家の孫七に対して、酒井左衛門尉忠次の家来に石原寸度右衛門という人物がいた。元亀元年六月の姉川陣に、徳川家康は織田信長のたのみで先陣をつとめ、朝倉軍をひきうけて戦った。