Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Lisez 完本 たぬき汁 (たぬきじる) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 133 158 caractères · 273 écrans

Aozora Bunko

山の肌はまだ蒼い。腰の辺りに幾とせ消え残る万年雪が、まだらに白く秋陽に輝いていた。河口には、左にも右にも遠く白砂が続いている。白砂が陽炎に消えた西南の果てには、賀茂の港や湯野浜あたりの山々が、遙々と紫色に並び立った。淡島や佐渡ヶ島は、悠々と海霞の奥に眠っているのであろう。眼に見えぬ。

ここの釣り人は、竿の調子に微妙な関心を持っていた。穂先はやわらかで、胴に調子を保ってしかもねばりのある竿を好むのである。それは、庄内地方特産の唐竹の根掘りで作るのであるが、少し重過ぎるきらいはあるとはいえ、魚が鈎をくわえてからの味は、満点であった。

ここの人が使う手網は、美術品である。枠は竹を削ってはぎ合わせ、それを漆で塗りかためたものだ。網は、絹糸の一分目である。私は、その小型のものを酒田の釣友本間祐介氏から、記念品として贈られた。

羽州の旅数日、いつの日も地米の飯に恵まれた。豊かな幸福を感じたのである。これは庄内平野が広々としてあるおかげであろう。その平野を横ぎって、私は湯野浜温泉に一宿した。電車の窓から、既に刈り取られた稲田の畦に、女学生の群れが蝗を追う姿を眺めて過ぎた。