Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lisez 完本 たぬき汁 (たぬきじる) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 133 158 caractères · 273 écrans
『時にはあるのですが、いつも話がうまく纏まりません――オールドミスを妹に持つと、妹の悩みよりも母の心労を見る方が、よほど気が揉めますよ』
二
私は、これまで人から縁談のことについて一度も相談を受けたことがなかった。だが、人間が相当の年輩になれば仲人の二つや三つをして見るのが、娑婆の役目であるという諺のあるのを知っている。森山さんから、この話を聞いて改めて娑婆の役目を思い出した訳だが、その娑婆の役目にこれを機会に取り掛かろうとして思いついたのではなく、森山さんの妹の身の上を気遣う口振りや表情が、いかにも困ったという風であったので、一つ私も縁談の口ききをやってみようかなという、柄にもない親切な気持ちになったのである。
『お妹さんは、いまどちらにいるのですか』
『東京です。女子大の家政科を出まして、青山のある女学校に教鞭をとっていたのですが、芝のあの山泉男爵さんのお嬢さんが教え子だったので、そのお嬢さんが卒業すると、男爵家の懇望でそこの家庭教師になったのです。お嬢さんがお嫁に行ったあとでも、その妹さんや弟さんの面倒を見てくれというような訳で、とうとう今年で八年も居付いているような有様です』