Classiques japonais avec furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lisez 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) de 小出 楢重 (こいでならしげ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 334 351 caractères · 657 écrans
まっくろけだ。印度洋へ水葬にしてやった。
十二月十六日
今晩、手紙(おかアさんと吉延さんとから)を落手。何しろ、二ヶ月以前に僕がかいた手紙の返事を、今見る事であるから、ずい分ヒマのかかる仕事だ。頭をなぐられてから二ヶ月目に痛いと感じる様なもので、ずい分頼りない話しだ。此の頃は巴里もおいおいと、ま冬の最も日の短い最中であるので、朝は八時に夜があけて、晩は四時で日がトップリ暮れてしまう。電灯は一日つけ切りと云う様なもので、かどが暗くて、朝の十時頃に電気がついていると、一寸日本のお正月の元日の朝の様な心もちがする。冬の巴里も中々味があるもんだ。此の頃はもう、巴里にもなれ切ったので、次に来た人の案内をやっている位だ。巴里という所は、絵の勉強でもしようと思うと、一向につまらない処だが、お金をどっさり持って、買物でもしたり、ぜい沢していれば、それこそ何年居ってもあきないかもしれん。
此の間から、もう南フランスの方へ行くので、その準備をしたりしていたが、さて巴里を去るとなると、中々、巴里もすみなれて見るとなつかしいもんで、一日一日とのびて行く。毎日買物をしているが、とても、いいものは高くて買えない。