Classiques japonais avec furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lisez 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) de 徳冨 蘆花 (とくとみろか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 742 caractères · 256 écrans
五の二
一人の曲者は五つか、六つなるべし、紫矢絣の単衣に紅の帯して、髪ははらりと目の上まで散らせり。
二人の曲者はしばし戸の外にたゆたいしが、今はこらえ兼ねたるように四つの手ひとしく扉をおしひらきて、一斉に突貫し、室のなかほどに横たわりし新聞綴込の堡塁を難なく乗り越え、真一文字に中将の椅子に攻め寄せて、水兵は右、振り分け髪は左、小山のごとき中将の膝を生けどり、
「おとうさま!」
五の二
「おう、帰ったか」
いかにもゆったりとその便々たる腹の底より押しあげたようなる乙音を発しつつ、中将はにっこりと笑みて、その重やかなる手して右に水兵の肩をたたき、左に振り分け髪のその前髪をかいなでつ。
「どうだ、小試験は? でけたか?」
「僕アね、僕アね、おとうさま、僕ア算術は甲」
「あたしね、おとうさま、今日は縫い取りがよくできたッて先生おほめなすッてよ」
と振り分け髪はふところより幼稚園の製作物を取り出して中将の膝の上に置く。
「おう、こら立派にでけたぞ」
「それからね、習字に読書が乙で、あとはみんな丙なの、とうと水上に負けちゃッた。僕アくやしくッて仕方がないの」
「勉強するさ――今日は修身の話は何じゃッたか?」