Classiques japonais avec furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lisez 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) de 徳冨 蘆花 (とくとみろか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 742 caractères · 256 écrans
語はしばし絶えぬ。両人はうっとりとしてただ相笑めるのみ。梅の香は細々として両人が火桶を擁して相対えるあたりをめぐる。
浪子はふと思い出でたるように顔を上げつ。
「あなたいらっしゃいますの、山木に?」
「山木かい、母さんがああおっしゃるからね――行かずばなるまい」
「ほほ、わたくしも行きたいわ」
「行きなさいとも、行こういっしょに」
「ほほほ、よしましょう」
「なぜ?」
「こわいのですもの」
「こわい? 何が?」
「うらまれてますから、ほほほ」
「うらまれる? うらむ? 浪さんを?」
「ほほほ、ありますわ、わたくしをうらんでいなさる方が。おのお豊さん……」
「ははは、何を――ばかな。あのばか娘もしようがないね、浪さん。あんな娘でももらい人があるかしらん。ははは」
「母さまは、千々岩はあの山木と親しくするから、お豊を妻にもらったらよかろうッて、そうおっしゃっておいでなさいましたよ」
「千々岩?――千々岩?――あいつ実に困ったやっだ。ずるいやつた知ってたが、まさかあんな嫌疑を受けようとは思わんかった。いや近ごろの軍人は――僕も軍人だが――実にひどい。ちっとも昔の武士らしい風はありやせん、みんな金のためにかかってる。