Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lisez 山を思う (やまをおもう) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 79 814 caractères · 157 écrans
峠
何十尺かの断崖を下りると、岩の磯で、そこの烈日の下で裸になった私は、ピョンピョン跳ねた。岩が熱かったからばかりでは無い、子供のようにうれしかったのである。太陽と南風とを膚に感じて、今新しく生れたような気がしたのであった。人が見ていたら、私はこの磯で、極めてリディキュラスな骸骨踊を演じたことであろうが、手をあげ、足をあげ、岩からいきなり海へ飛び込んだ。
水は深く澄んでいる。海藻、魚、かに……私自身の足が青白く綺麗に見えた。波はほとんど無かったが、大島の方から相当大きなうねりが来て、入江のようなこゝには、かなり強い水の起伏があった。泳ぎ得る者のみが持つ自信で、私は私を海にゆだねた。こゝの岩と、水と、海藻と魚とはベックリンの領域である。マーメードはいなかったが、それはそれでよかったことである。
峠
ボツボツと、ひまにまかせて、あちらこちらの峠を歩いて見たら、面白いことだろうと思う。この「ひま」がいつになったら出来るか判らぬが、また出来たにしても、日本中に峠と名のつくものは大変な数だろうから、果して生きている内に、そのいくつを越すことが出来るやら、見当もつかぬが、とにかく私は、時々そんなことを考える。