Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Lisez 山を思う (やまをおもう) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 79 814 caractères · 157 écrans

Aozora Bunko

彼はしみじみ、自分の結婚生活を思い出し、また考える。同じ夫婦という名で結ばれていても、山田さん夫婦と自分達とは何という相違だろう。境遇か、学問か……と、いろいろ考えるが、どうも漠然としてよく判らない。

山の上で、山田さん夫婦が写真をうつしてくれという。岩の上に立って並んだのを見て、彼はまたしても夫婦という問題を考える。と、自分の立っていた岩がぐらりと動いたように感じ、ハッとした途端、写真機を落してしまう。これはフィアンセーユ時代、山田さんが奥さんに買ってやったので、二人にとっては結婚生活の一つの重大なランドマークになる性質のものであった。これを知っている彼は山田さんが驚いてとめる間もなく、岩角から下のガレに飛び下り、急な雪渓をすべり下りて、はるか下の岩にひっかゝっている写真機を取り戻す。ガレに飛び下りた時、彼は後頭部を岩に打ちつける。頭から血が出るが、彼は写真機をさがすのに夢中になっていて、そんなことに気がつかない。が、こわれた写真機を見つけると、腰が立たない。心配した山田さんと義弟が横の方の岩を下りて来て見ると、彼は莫迦みたいな顔をしてニヤニヤしている。