Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まぼろしのその

幻の園

豊島 与志雄

Lisez 幻の園 (まぼろしのその) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 788 caractères · 14 écrans

Aozora Bunko

今に私はその同胞を探し出し、名乗りあわなければならない。けれど、どこを探したらいいか。そのことを、私はどんなにか祖母に尋ねたかったのです。そしてまた何となく尋ねにくかったのです。

どこかに自分の同胞がいる……それはいつか夢にみて、その夢をどうしても忘れかねてる、そういう気持に似たものでした。本当かどうか、本当にはちがいないがもっと確かめてみたい……。

椿の花が落ち散ってるのを拾い集めている時、赤い熟柿を小鳥がつっついてるのを眺めている時、私は祖母の顔色を窺いました。けれどやはり尋ねかねました。そのたった一つの秘密を祖母に打明けられないことが、私の何よりの悲しみでした。

けれども、その秘密を話し合える友だちが一人、私にはありました。近所の、みよ子という私より一つ年上の子供でした。

私は家の中で、祖母を除いては殆んど一人ぽっちでしたが、村でも殆ど一人ぽっちでした。代々の農家ばかりの村では、二三軒の士族は一種の特別待遇を受けていましたし、その士族どうしはまた妙に冷かな交際ぶりだったものですから、士族のうちの一つである私の家は、親しい交渉を村内には持っていませんでした。