Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まぼろしのその

幻の園

豊島 与志雄

Lisez 幻の園 (まぼろしのその) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 788 caractères · 14 écrans

Aozora Bunko

祖母はいつも綺麗でした。痩せた細そりした身体付で、色が白く、皮膚が滑かでした。殊に髪の毛が美事でした。多くも少くもないその毛は、しなやかに波うって、ぼーっと薄暮の色を呈していました。際立った白髪の交らない、全体の黒みがいちどに褪せたそういう髪を、私は他に見たことがありません。

祖母は病身のようでしたが、別に寝つくこともありませんでした。仕事という仕事をしたことがなく、手なぐさみに何かいじくったり、新聞や絵本をよんだり、またよく縁側の日向で、何にするのか、紙縒をよっていました。

私は兄弟姉妹がなく、ただ、一人ぽっちでした。祖父や両親は用が多かったので、祖母も一人ぽっちのようでした。それで私と祖母とは一番仲よく遊びました。夜になると床を並べてねて、祖母からいろんなお話をきくのが、私の何よりの楽しみでした。

そのお話の一つ――。

むかし、或るところに、お化屋敷がありました。誰も住む者もない家の裏庭に、菌がいっぱいはえていまして、そこにお化が出て、人をとって食べてしまうのです。どんなお化が出るのか分かりませんが、その裏庭にはいって、無事に戻って来た者は一人もありませんでした。