Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おたか

御鷹

吉川 英治

Lisez 御鷹 (おたか) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 767 caractères · 18 écrans

Aozora Bunko

『為ようがないさ! ……。嬰児に紋は付いていないからな』

――いつものように優しい言葉で、

『おれは、おまえを信じるとしよう。だが、阿部白翁のあとを継いで、おれが御鳥見組頭の位置に坐っても、又これからどんな立身をしても、おまえは、おれの行いについてものを云う資格はないぞ。――いいか、それだけは、一緒になった後々の為に、念を押しておくぞ』

――それ程、疑われながらも、夫婦になるかいがあろうか、女として生きている力があろうか。

彼女は、責めない角三郎が、何だか頼りなかった。打って打って打ちすえてくれたら――と思うのであった。いや、ここへ来るまでの間に予期していたように、角三郎が討たれていたら、弁馬の見ている前で、女の心をみせ、立派に復讐してやったものをと、むしろその事に悲しまれて来るのでさえあった。

『馬鹿なやつだ』

血から醒めて、落着きをとり戻すと、角三郎は、死骸の弁馬を愍然と嘲むように、俯っ伏しているその衣服のすそで、刀の血糊をふきながら呟いた。

『――おれが、どれ程、こんな女一人に惚れ込んでいるかと思っていやがる。――最も、弁馬の容貌では、女から惚れられた覚えなどは、生れてから一度もないだろうからな』