Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こころのかわ
心の河
宮本 百合子
Lisez 心の河 (こころのかわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 442 caractères · 37 écrans
さよは、妙に真剣で、頭の奥から糸でも繰り出すような眼付で話しながら、少しあやふやなところに来ると、
「そうじゃあなくって? 違って? まるで違うこと?」
と念を押す。全然見当の脱れた時、保夫はさも面白そうに高笑いした。そして、遠慮なく、
「莫迦(ばか)」
を連発して彼女を揶揄(やゆ)した。さよは、額の隅を掻いて敗亡を示した。当がはずれても、結局食後の座興として決して不適当なものではない。然し、十中七八まで保夫は彼女の言葉を正面から否定はしなかった。その代り、はっきり承認もしない。彼は、にやにやしながら、
「まあそう思うならそうして置くさ」
と云うのであった。
この当て役が反対に保夫に振りつけられると、二人の会話は、さよがその役を持った時ほど快活に、熱をもっては進まなかった。
彼女は良人に注文するだろう。
「きのう吉村さんがいらしった時ね、私、あの方について感じたことがあるのです。何だとお思いになって? 鈴木さんと比較して――当てて頂戴」
保夫は、気も乗らなそうに煙草の烟(けむり)を吹いた。
「何の稽古が始るのかい。――吉村について感じたって……漠然としすぎて問題になりゃあしないよ」