Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あやしのもの
怪しの者
国枝 史郎
Lisez 怪しの者 (あやしのもの) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 259 caractères · 25 écrans
しばらくわたしは土塀について、お屋敷の周囲をまわりました。と、東側の小門から小半町ほど距たった辺に、こんもりした林がありました。それをわたしは眺めやりましたが(あれに任かせて置けば大丈夫さ)と、こう心中で思いまして、そのまま先へ進んで行きました。足場のよいところまでやって来ました。そこでわたしは木立へ登り、そこから土塀の頂へ登り、お屋敷の構内へ飛び下りました。構内の土塀近くに茂っているのは、松や楓や槇や桜の、植え込みでございました。
(塀外の木立ちと高い厚い土塀と、そうして内側のこの植え込みとで、こう厳重に鎧われたんでは、屋敷内で何を企てようと、外からは見えもしなければ聞こえもしない。ましてその上に化け物屋敷などという、気味の悪い噂を立てておいたら、近寄ろうとする人はないだろう。)
そんなことをわたしは思いながら、植え込みをわけて進んで行きました。と行く手から大勢の人声や、物を打つ音や物を切る音やが、潮の遠鳴りのように聞こえ、燈の光なども見えて来ました。不意にその時人声が、此方へ近づいて参りましたので、わたしは藪蔭へ身をかくしました。
「見慣れない奴でありましたよ」