Classiques japonais avec furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lisez 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 72 034 caractères · 142 écrans
「はて、これは」
「ああ、いや、追従とばかし思うまい。わしのこの心が物を選りわくる主となって、人の性を能く見別くるようになってからは、おぬしに無上という印を捺した」
シェークスピアの「ハムレット」では、ホレーショーはハムレットのこの世のただひとりの味方、心の友、無二の親友として登場するのですが、これはわたしにたいするハムレットの心からの信頼と愛情の表現だと感じ、孤独の悲哀の海に漂流しながらわたしに手をさしのべるこの不幸な男を、どんなことがあっても見捨てまいとこころに誓いました。
いままでは鮎子の愛情にひかされて、阪井の悪事に黙会しているような気味合いもないではありませんでしたが、こうなった上は敢然と阪井と決闘するほかはなくなりました。裏切りを宣言した瞬間からわたしの生命はたちまち危険に瀕するわけですが、阪井の扶持から離れるとたちまち無一文になってしまうこのわたしが、廃人同様の男を抱え、どういう武器で阪井を斬り伏せるのか、しかし、なにがなんでもやりぬくほかはないと、夕暮の窓に佇みながら心はむらむらと燃えたつばかりでした。
その翌日、夕方の六時ごろ、阪井からすぐ来るようにという電話がありました。