Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

Lisez 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 280 caractères · 301 écrans

Aozora Bunko

女を横取りして置いて、一人いい子になって置いて、昔の朋輩が聞いてあきれらあ。そんな甘口に乗る俺じゃねえ。マア、そんな無駄口を叩く暇があったら、念仏でも唱えるがいい」

「それじゃ、どうあっても許しちゃくれないのか」

「くどいよ。許すか許さねえか、論より証拠だ。これを見るがいい」

そして、賊はいきなり短刀を満代の胸へ……。

川手氏は最早や見るに忍びなかった。今二人の男女が殺されようとしているのだ。目を閉いでも、断末魔の悲痛なうめき声が聞えて来る。しかもそれは、一寸だめし五分だめし、歌舞伎芝居の殺し場そっくりの、あのいやらしい、陰惨な、惻々として鬼気の身に迫るものであった。

その残虐を敢てしている人物が我が亡き父であると思うと、川手氏は余計たまらなかった。自分よりも若い父親が、目の前に現われるなんて、理性では判断出来ない不思議だけれど、それを思いめぐらしている程、川手氏は冷静ではなかった。夢にもせよ、幻にもせよ、この残虐を黙って見ている訳には行かぬ。止めなければ、止めなければ……。

川手氏はもう気も狂わんばかりになって、いきなり拳を固めて前の板壁を乱打し始めた。