Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lisez 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 280 caractères · 301 écrans
竜子の顔がキューッと歪んで、今にも泣き出しそうな渋面になった。あの兇悪な殺人鬼が、どうしてこんな弱々しい表情をするのか、不思議と云えば不思議であった。だが、油断は出来ない。女というものは、ましてこれ程の悪人となれば、悲しくもないのに涙を流し、怖くもないのに恐怖の表情を作るなどは朝飯前の芸当に違いない。
「わしかね、わしは三重渦巻の指紋を持つ殺人犯人を捉えるために、永い間苦労している宗像というものだ。無論君はわしをよく知っている筈だね」
相手は答えなかった。答える代りに一層恐怖の表情を強めて、身をすくめた。
「わしは実を云うと、君の腕前には全く感心しているのだよ。君は悪魔の智恵を持っている。そんな悄らしい顔をしていて、実は人殺しの天才なのだ。川手氏の妹娘の死骸を博物館の陳列箱の中へ飾ったり、姉娘の死骸をお化け大会の破れ蚊帳の中へ寝かした腕前には、流石のわしも兜を脱いだ。永年の間にはずいぶん毛色の変った犯罪事件も取扱ったが、君のような魔法使を相手にしたのは初めてだよ」
博士がそこまで云うと、男装の竜子が突然両手を前にさし出して、博士の口を塞ぎたいとでもいう様な恰好をした。