Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lisez 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 280 caractères · 301 écrans
イヤ、泣き出すばかりでなく、中には気が違ってしまう者もあるかも知れない。
博士は嘗て何かの本で、人間を鏡の部屋にとじこめて発狂させた話を読んだことがあった。そして、それと関聯して、寄席の芸人が物真似をする、蝦蟇の膏売りの、滑稽なようでいて、どことなく物凄い妙な口上が、耳元に浮かんで来た。無神経な蝦蟇でさえ、鏡に取りかこまれた恐怖には、全身からタラーリタラーリと膏汗を流すではないか。
流石の宗像博士もこの恐怖の部屋には、そのまま佇んでいる気はしなかった。大急ぎで六角の鏡の面に触りながら、どこかに出口はないかと歩き廻った。すると、千人の同じ博士がグルグルと、大グラウンドでのマス・ゲームのように、卍巴となって歩き廻るのだ。
何という残酷な仕掛けだろう。入口のドアは閉まったまま開かないし、出口も見つからぬ。見物が気の違うまで閉じこめて置こうとでもいうのだろうか。
さい前ドアが素早く閉まったのには理由があったのだ。あのドアには、一人だけ中に入ると、あとから見物が入らぬよう、ある時間、押しても引いても開かなくなってしまう仕掛けがしてあるのだ。そして、一人ぼっちでこの魔の部屋の恐怖を味わせようという訳なのだ。