Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lisez 愛のごとく (あいのごとく) de 山川 方夫 (やまかわまさお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 103 908 caractères · 210 écrans
一艘ここで寄付したんで、こないだお礼に来ましたがね」彼は善良で、話し好きな様子だった。
「そうですか」信二はお辞儀をした。一人で庭にまわって行った。枯れた芝の上に這松がならんでいて、その向うに池があった。陽ざしが眩かった。彼は自分が疲れているのを感じた。
なだらかに池に下りる芝の上で、ながいこと信二はぼんやりとしていた。いつのまにか、彼は眠った。眩しいあたたかな光の注ぐのを感じながら、彼は短い夢をみていた。
彼は横浜の山ノ手らしいところにいた。その小綺麗な洋館と洋館とのあいだみたいな緑いろの芝生に、彼は横に寝ていた。彼の首は女の膝の上にあって、女は「黒の女」だった。「たいへん。ひどい怪我よ」黒い服の女はそういい、ハンカチで彼の鼻をおさえる。それがみるみる真赤な血で染まって行く。「心配することはないのよ」女は笑う。「だいじょぶ?」と信二はいう。「馬鹿ねえ」女は信二をあやすようにゆする。信二は青空をみていた。「どうしてあんなことをしたの? 弱いくせに」「――口惜しかった。僕は口惜し……」叫びかけて、信二は現実にかえった。ほとんど泣き出しそうになっている自分に気づいていた。