Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
Lisez 探偵クラブ 烙印 (つめ) de 大下 宇陀児 (おおしたうだる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 509 caractères · 103 écrans
何故といえば、丁度そこにおられた住谷良子という婦人が立派な証言をしているのです。この婦人は一昨夜ここへ来て故人と夜十時頃まで何か話をしておられたのですが、その帰る時まで故人の手の甲には、傷痕などはなかったといいます」
「だから、その帰った後で――」消えるような声で、ようやく沖野がいった。
「ハッハ、そうでしたね。誰にしても考えることは同じものです。私もそう思いましたよ。だが、矢張りそれでもいけませんでした。マミイという猫は、当夜、ここの家におりませんでした」
「え?」
「その婦人が、バスケットへ入れて、その上を又風呂敷で包んで、帰る時一緒に連れて行ってしまったんです。もっとも、それはその婦人の妹さんが猫を写生したいといったので、二日ばかり借りて行ったのだそうですがね」
言われてハタと思い出したのは、当夜良子が片腕に抱えて行った四角な嵩張った品物だった。アア、だがそれにしても、自分が竹中の寝台へ近づいた時、軽く音を立てて床へ落ちたのは何であったか? マミイがいなかったとすれば、あれは読みかけの新聞か何かであったのか?
沖野は、眼の前が突然真暗になった気持だった。