Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つめ

探偵クラブ 烙印

大下 宇陀児

Lisez 探偵クラブ 烙印 (つめ) de 大下 宇陀児 (おおしたうだる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 509 caractères · 103 écrans

Aozora Bunko

五

「ううん、飲みやしないさ。ママはそいつをね、ほら、ママのお部屋に小ちゃな綺麗な箱があるだろう、あの中へちゃーんとしまっといたよ。――これからまた、パパに毎日それを飲ませるんだって」

「パパ飲むかしら」

「葡萄酒ん中へでも入れてやれば、きっと知らずに飲むだろうっていっていたよ。僕、知ってるんだけれど、パパは、昨日もおとといも、もうそのお薬を飲んでるんだ」

「飲むとこ見た?」

「ううん、見やしないさ。だけど、パパはほら、いつも晩の御飯の時に、葡萄酒を一パイ飲むだろう。あの葡萄酒の中にお薬が入ってんだ。佐々沼の小父さんは、そのお薬が一ぺんや二度飲んだって何ともなくて、毎日々々飲んでいると、だんだんに利いて行くんだっていっていたよ」

二人共に、その薬がどんな風に利き目を現わして行くか、そのことについて異常な興味を抱いている風であった。そしてそれから後は、時々二人で眼交せをしながら、夕食の折に、パパちゃんが葡萄酒を飲む口許をじっと眺めていたのであった。

五

伯太郎がママちゃんのお部屋をそっと覗き見しに行くということは、その後もずっと続けられていたことであったが、そのうちにいつしか翌年の正月となり、その正月も終って二十日ばかり経った頃から、伯太郎にはバッタリと、そうした機会が与えられなくなった。