Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Lisez 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 454 caractères · 357 écrans

Aozora Bunko

」

「まさか、そんな奴ならいいんだが……」

松岡は冷笑して見せた。

「あんな美しい方をそんなに仰有るものじゃありませんよ、ずっと御一緒だったのですか。」

「すこし訳があって別れたんですが、時々ああして出て来てはうるさくて仕方がないんです。」

「でもお一人では御不自由でしょうから一緒におなりになったらどうです。」

松岡は黙って鼻さきで笑っていた。二人は三階へ上る階段に立っていたが、主婦はその時、急に居竦んで、松岡の手首をうしろから引いた。松岡は驚いて振りかえると、主婦は階段の下を指さした。松岡は蝋燭の火かげで、ずるずると長い影を引いたものが、階段裏からくびれているのを目に入れた。女の顔は向うむきに隠れていた。動かず凝乎としていた。

「あの方ですよ。」

主婦はぶるぶる震えた。

「やはり帰らなかったのだな。」

松岡は紙のように蒼くなり、へた張った主婦を足もとに見て、その長い姿を天井裏に仰いだ。

「悪いことをした。」

松岡は始めてそう謝まるような声音で独り言をしたが、からだが硬張って動かれなかった。