Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lisez 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 454 caractères · 357 écrans
三
お俊は嘆息をした。暗い夜路の両側に生えた枯草が見え、そこを小さいむすこがやはりとぼとぼと歩いて行った。いくら考えても、又諦らめても既に忘れかかっていながらむすこの暮れ沈んでゆく姿が見えてならなかった。お俊の習慣的になった妄想はむしろこの荒涼な風色の間に見えるかれの姿を、自ら描いて楽しみ淋しむの思いが、完全なまでにこのごろは待たれるようになった、自分もあのあとに尾いている、一しょに歩いているのだもの、あれはそれを知っている、知らずにいる筈はない、しかも、きよ子も何時の間にか逢いながら話しているのではないか?――こうして吾々はみんな会ってるのだ、そんなに悲しんだりなぞしていない、………又、むやみに寂しがってはならないと思った。
三
「よく来てくれたわね。」
お俊は明るい茶の間で坐っている小さいむすこの頭をなでた。気のせいか髪までが、こわくなっているようだった。それにからだはどれだけも肥っていないのに、顔だけがませているようであった。
「お母さまはずいぶん永い間待っていたの。ほんとによく来てくれたのね。」
むすこはちょこなんと坐って、ただ、うんうんと返辞をしているだけであった。