Classiques japonais avec furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lisez 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 454 caractères · 357 écrans
」
妻は、看護婦にそう話した。樋口さんとは私が田端へきて八年にもなる知合いであった。
翌日、写野さんがやってくると、樋口さんに、薬の方のことを言い、
「もう取り止めたようですね。」
そう静かに言った。危険期を越えているとも言った。が、まだまだ安心はできない、どういう風にかわるかも知れないとも云った。私は写野さんを信じた。
「下手なことをやると、書かれるからな。」
そう樋口さんを振りかえった。この前、やはり書きものをしている人の子供を見、書かれたと言った。
「医者にだってどうにもならない場合があるものですよ。」
私はそれに同感した。あんなに善くしてくれたのに、書くなぞとは私は思いもよらなかった。
医者は、毎日、写野さんと樋口さんとが立ち会って呉れ、一週間目になった。
「もう大丈夫だ。何しろ乳を飲むから都合がよい。」
写野さんは、初めてハッキリ言ってくれ、私だちは安心した。看護婦も一人だけにした。気がつくと、夏も妻もみんな一週間のまにすっかり憔悴れてしまった、それでも妻は気ばかり立っていた。
「一時どうなるかと思いましたよ。やれやれ。」
妻は、やっと帯を解いてねむった。