Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゃよう
斜陽
Lisez 斜陽 (しゃよう) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 822 caractères · 176 écrans
とおかみさんは、落ちついて言う。
「ダンスのほうが、すきになったんですって。ダンサアの恋人でも出来たんでしょうよ」
「直さんたら、まあ、お酒の上にまた女だから、始末が悪いね」
「先生のお仕込みですもの」
「でも、直さんのほうが、たちが悪いよ。あんなお坊ちゃんくずれは、……」
「あの」
私は微笑んで口をはさんだ。黙っていては、かえってこのお二人に失礼なことになりそうだと思ったのだ。
「私、直治の姉なんですの」
おかみさんは驚いたらしく、私の顔を見直したが、チエちゃんは平気で、
「お顔がよく似ていらっしゃいますもの。あの土間の暗いところにお立ちになっていたのを見て、私、はっと思ったわ。直さんかと」
「左様でございますか」
とおかみさんは語調を改めて、
「こんなむさくるしいところへ、よくまあ。それで? あの、上原さんとは、前から?」
「ええ、六年前にお逢いして、……」
言い澱み、うつむき、涙が出そうになった。
「お待ちどおさま」
女中さんが、おうどんを持って来た。
「召し上れ。熱いうちに」
とおかみさんはすすめる。
「いただきます」
おうどんの湯気に顔をつっ込み、するするとおうどんを啜って、私は、いまこそ生きている事の侘びしさの、極限を味わっているような気がした。