Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

また、先頃は。

信長の弟信行の臣が、叛乱を起した折も、信長の先手衆に交じって行き、刃も折れるような奮戦をした。また、宮中勘兵衛という者が、犬千代の右の眼へ、一矢射たところ、犬千代は、矢も抜かずに、騎から跳び降りて、勘兵衛を首にし、信長に、首を献じたという男でもある。

とにかく、勇猛な美男なのだ。しかも白皙端麗な面に、一本の針を置いたように右の眼が細く一文字につぶれている。――どうも、信長でも、少々手に余したお小姓に思われた。

「さあ。あの犬千代では」

と、共に憂いを憂えてみたものの、さし当って、藤吉郎にも、よい考えもなかった。

「――いやなに、御心配なされますな。その儀、藤吉郎がひきうけました。何とかなりましょう」

彼は、そういってしまった。その夜は城内へ帰って寝た。結局彼自身は、何も得るところはなかった。又右衛門の憂いを、半分背負って帰っただけであった。

――だが、考えようでは。

好きな女性の父親から、心の憂いを打ち明けられたということは、たとえそれが荷になる憂いでも、光栄に思う心理は青年にある。

父親の信頼――そのものよりも、それほどに、藤吉郎は、真実、寧子が好きだった。