Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

「は、は、は、は……」

突然、義元は笑った。

笑う時は、少し身を斜めにして、美しく染めた唇の鉄漿へ、銀杏形の扇子を当てて笑うのが、彼のいつもする癖だった。

「三、四千とな。……ようまあ、それで一国を支えておるものじゃのう。儂が上洛の途に当って、心すべき敵は織田であると、長老も仰せらるるし、そちどもも織田織田としきりに申すゆえ、主計に仔細を書きあげさせてみたわけじゃが……たんだ三、四千の兵が、義元の軍勢の前に何するものじゃ。鎧袖の一触、蹴ちらして押し通るに何の造作があろう」

雪斎は沈黙していた。

牟礼主水正、庵原将監、斎藤掃部助なども、ひとしく口を緘していた。

義元のうごかない決意を知っているからである。

既に――

この計画は数年来のものであり、今川家の軍備も内政も、あらゆる施設の方向は、義元の上洛と天下制覇の目標にあったのである。――機、今や熟し、義元の胸にも、その鬱勃は、待つまでもなく、迫りきっているのだった。

それを、この春から、いざ決行となりながら、評議をかさね、今もって実現に至らないでいるのは、この中枢部の内にも、まだ時機であるまいという――尚早論者があるからであった。