Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans
にたたえた緑の泡の湯加減から始まるといってよいほど、これは遊戯ではなく、生活の中にはいっているものであった。
「めっきり、庭草が露ぽくなったのう。菊のつぼみは、まだ固いが」
ぬれ縁から、十坪ばかりの囲いをながめて、又右衛門は、つぶやいていた。
「…………」
返辞のないのは、炉の前に、寧子の手が折ふし茶柄杓にかかっていたからである。沸きたぎる釜の湯から酌み出されたそれが、茶わんのうちへ、とうとうと、泉の口でも落したように、部屋の寂寞を快くやぶって注がれると、彼女は、にこと横を向いて、
「いいえもう、表の坪の菊は、二、三輪ほど、よい香を放っておりまする」
「そうか、咲いたか。……今朝も箒を持って掃いたに、気がつかなんだ。花も、武骨者の軒に咲いては、情なしよと、無情かろうな」
「…………」
茶筅のかろい迅い音が、寧子の指さきからササササと掻き立てられている。――が、なぜなのか、又右衛門のことばと共に、彼女の顔には、さっと紅い羞恥らいがさして見えた。
そんなことに、気のつく又右衛門ではない。茶わんを寄せる。押しいただく、飲む――。アアいい朝だといった顔つきである。