Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

弓之衆の長屋はこよい門ごとにあかあか明りがうごいていた。浅野又右衛門の家一軒の祝い事のために皆、門をひらいているのである。門辺にかがりを焚いている家もあるし、紙燭を持ってわざわざやがて通るであろう聟どのの到着を、婚家と共に、待ち久しげに佇んでいる人々もある。

子を抱いたり、手をひいたり、近所の顔が、近所の火明りに、なんとなく華やいでいた。

そのうちに、彼方の辻から、童たちが駈けて来て、

「来たよ、来たよ」

「お聟さまが見えたよ」

童たちの母親は、子の名を呼んで、静かに、とたしなめて側へ寄せていた。宵月の光が淡く往来に濡れていた。童たちの先触れが露払いとなって、それからは誰も往来をよぎらないことにして、いと静粛にひそまり返っていた。

辻が赤く染まった。

二本の松明が曲って来る。

その後から、聟殿は歩いて来た。曳馬の飾りには、鈴がついているとみえ、松虫の啼く音のようにりんりんと揺れてくる。具足櫃、二本の槍、誰彼と、四、五名の供も来る。このお長屋としてそう見苦しい程でもない。

わけて聟の君の藤吉郎は、至極神妙のていに見えた。小兵ではあるが着飾らない程に身なりも整っておるし、一部でひどく悪口いうほど不縹緻でもないし、才気を鼻にかける男とも見えない。