Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

藤吉郎は、逃げるように座敷へ駈けこむ。暁までも聟を擒人にして帰すなと、悪戯好みの友たちは円坐を作って、酒々と性急に呼び立てたりする。

そうしてどれほど飲んだろう。また、何を歌ったり舞ったりしたことか、弁えている者はほとんど幾人もなかったろう。やがての果ては型の如く、手枕、大の字、思い思いの寝相して、そこの広間に酔いつぶれていた。

夜も更ければしんと秋の味がしてくる。八月の庭面はもう秋草だった。酔っぱらいたちが静かになると、虫の音がすだき始める。草の根にまで白い夜露が降りていた。

「……おやッ?」

犬千代が、がばと、突然顔を上げて見まわした。見ると、藤吉郎も首を上げている。池田勝三郎も眼をあいている。

「…………」

眼を見あわせながら、お互いの耳をとがらしていた。庭面を越えた往来に聞えるのである。戞々と、深夜のしじまを破って通る轡の響きで眼をさましたのであった。

「はてな?」

「何であろ」

「だいぶな人数だが……?」

犬千代は、何か思い当ったように、はたと小膝を打って云った。

「そうだ。先頃、三河の松平元康の許へ、使者として渡られた滝川一益殿が、ちょうどもう帰らるる頃。