Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans
その夜、矢つぎ早に、清洲城へ届いた国境からの通諜は、果たして、美濃の大乱を告げて来たものだった。
それよりも前の年に、稲葉山の斎藤義龍は養父の道三山城守が、自分を廃嫡して、二男の孫四郎か、三男の喜平次をもり立てようとしているのを察して、仮病を構えて、そのふたりを呼びよせ、これを殺してしまった。
道三の怒りは、いうまでもない。
腐えたる国の自壊が始まったのである。年を越えて、ことし弘治二年の四月、浅ましき父子の合戦は、岐阜の里、長良川の畔を、業火の炎と、血みどろの巷にして闘い合った。
国境に駐在している織田家の被官や、道三方の早馬は、
(はや、山城入道様の軍は、合戦にお負けなされ、鷺山の城へも、火がかけられました)
と、急を告げ、
(一刻もはやく、舅御様の軍勢へ、御加勢のお出ましあるように)
と、催促して来た。
信長の妻は、道三の息女であるから、いうまでもなく道三山城守は、彼の舅たる人だった。
信長はすぐ、
「舅殿に御加勢を」
と、いって、寝所から陣令を発し、城内の将兵が、物の具をいでたつ間に、彼はすでに、大玄関まで出ていた。
藤吉郎と犬千代が、駒の口輪に添って、彼の前に鞍をすすめると、信長はいつものように、それへ乗ると、すぐ、つき従う者を後に連れ、用意の遅れている者たちは置き残して、城外へ駈け出していた。