Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

ともすれば霞みかける意識と、駈ける駒の背の風の中で、

(さては発覚したか?)

と、惑い、

(どうして犬千代が知ったろうか?)

などと思った。

同時に、これは鳴海城の一大事でもあり、父や一族の浮沈にもかかわることと思われるので、彼の胸さわぎはよけいに昂まり、その狼狽からこぼれる出血の量もひどくなった。

鳴海城は、清洲を繞る衛星の一つであった。織田家の出城なのである。彼の父、山淵左馬介義遠は、信長の被官の一人で、その城を預かっている者だった。

左馬介は、織田諸将の中では、旧臣のほうであった。

けれど彼は余りに、世の中の眼先にばかり敏感で、大きな将来を見る眼がなかった。

先君の信秀が死んで、信長が、十六、七歳の頃の――最も世間で信長の評判の悪かった時分――また、信長の逆境であった時代――これはいかんと早くも見限りをつけて、羽振りのよい今川義元のほうへ密かに媚態を送って、軍事的な盟約をむすんでおいた。

――鳴海衆変心。

と、聞えたので、信長は、二度も攻めた。鳴海は落ちなかった。

落ちないはずである。大国今川家がうしろで援護しているのであった。軍器、兵力、経済、いうまでもない。