Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans

Aozora Bunko

「はてな。年頃は」

「四十ぐらいかと思われます」

「人品は」

「至って爽やかな男振りで、どうも諸処をうろつき歩く武芸者とは受けとれません」

どういう打ち合わせになったのか。三名の下役達は、何か慌ただしげに帰って行った。

可成は、老臣を呼び、何やら密かに云いふくめる。

間もなく、前の三名が、一人の男を役所から移して来た。夕刻、嫌疑をうけて曳かれた武芸者である。仄暗い廊下の灯りをよぎって、その影は、ただ一人、奥の書院へかくれた。

書院の上座には、すでに褥や、客を遇するものが備えてあった。武芸者は、老臣にすすめられるまま、黙然、それに着座した。

「ただ今、主人可成が、間もなくお眼にかかりますれば」

老臣は、退ってゆく。

焚きこめてある香がどこともなく香う。しかもこれは、それがどんな名木であるかを嗅ぎわけてくれる貴賓でもなければ、可惜、勿体ないほどな馳走である。――と、解するや否や、ここへ来てはよけい旅垢の眼だつ武芸者は、なお、黙然たるまま主の気はいを待つこと久しい。

昼は、笠につつまれていた面貌も、今は、燈火のそばに静かにまたたかれている。なるほど、役人が疑ったように、諸国を旅してあるく武芸者にしては、色白に過ぎる。