Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans
また、弱年からの禅学の師、大徳寺の笑嶺様も、与四郎も茶をやるか、それはよい、ぜひぜひつづけさせるように。さもなければ、あの太骨は、一商家などに大人しくしておるものか。やがて途方もない夢など抱いて、果ては、乱世の巷に、屍を横たえよう。人相などをあてにいうではないが、剣難の相がある、いや性格がある。――茶杓茶碗を守り神のように持たせ、一炉の中をじっと見つめて、その途方もない夢や太骨へ灰をかぶせて、埋め火のように無事に、静かに一生涯を全うするようにお育てなさるがよい――と、そうくれぐれも、わたくしの両親へいったことがあるそうです。ですから以来ずっとこの年まで、茶を離れずにおりまする。およそ私の愚昧のほどお推量くださいまし」
自分で愚昧といっているだけ、なおさら人は彼を愚とは見ない。むしろ深さの知れない井戸をのぞくように、彼の肚には、何かこんこんといつでも水が湧いているように見ていた。
その宗易は、今、北之荘の町端れを歩いていた。
堺の今は、昼も夜半のようで、今にも戦火につつまれるかのように戦慄していたが、彼の顔いろは、春の陽につやつやしているし、身なりもふだんの通りであった。