Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans
「…………」
「些事小事は、頭から拭い去って、大きく、大処からお考え下さい。――時に折もよしです。不肖藤吉郎は、この度、洲股の築城を仰せつかり、これを足がかりとして、美濃打ち入りの先陣を承ったのです。謀将勇将、織田家にも決して乏しくはありません。その中から、それがし如き軽輩を、思いきって御登用ある一つを見ても、信長様が世評のような凡君でないことがお分りでしょう。――しかも仰せには、洲股の一城は、それを築き遂げた者に取らすであろう。その方、築き坐りに城主となるべし――という下命です。藤吉郎たる者、手に唾して、起たずにはおられません」
「…………」
「今を措いて、われわれこの秋に生れた者が、いつ起つ時がありましょう。さはいえ、一個の力ではどうにもならない。そこであなたを引き出しに来たのです。歯に衣着せずと申します。自分はあなたをこの機会にこそ用うべきだと思い、一命を賭して引き出しに参ったのでござる。まちがえば死も覚悟のうえでござる」
「…………」
「――が、手ぶらでは参りません。さしずめ、御配下への手当やら軍費として、些少ではありますが、三駄の駒に金銀を積んで来ました。