Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans
それから十日と経たない後にである。洲股の城は、わずか二夜か三夜のうちに急速に工が進み、
「早いなあ。ばかに」
と、美濃方の兵が、朝起きるたび、河べりで眼をこすっている間に、巍然たる一城の威容を作りあげていた。
不破平四郎は、手に唾して、いった。
「いざ、せしめに行こうか」
夜襲、渡河戦には、熟練しているここの隊だった。例によって、闇夜、一挙に洲股へ襲せかけた。
ところが、前とはまるで手応えがちがっている。待ちかまえていた藤吉郎以下、蜂須賀勢の野武士二千は、
「この城は、おれたちの汗と精魂だ。くれて堪るか」
と、いう意気である。
戦法もほとんどちがう。ひとりひとりの太刀も、以前の佐久間、柴田の部下の比ではない。まるで狼である。
戦っている間に、美濃方の筏や舟は、大半、油をそそがれて焼かれてしまった。利あらず――と見て、不破平四郎が、
「退けッ」
と、声を嗄らした時は、もう遅かった程である。
新しい石垣の城下から河べりの洲へかけて、千に近い死骸を捨てたまま命からがらな逃げざまであった。それも一部で、帰る筏を焼かれた兵は、下流上流へ逃げるしかなく、それをまた、