Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 320 caractères · 398 écrans
「ぼんやりしていてよろしいと仰せられますか」
「そう思う」
「すると、茶の心とは、ぼんやりしているほどよろしいもので?」
「いや、そうはいえません。これは筑前どのに限ったことで」
「むずかしい! いや、厄介なものですな」
「それを筑前どのには、いともやさしく、気軽に持っておられようが」
「何も分らんからで」
「うははは。これはどうも、いくら申しても、蒟蒻問答のような」
客と客のはなしを、水屋の陰で、宗易はじっと聞いていた。何か、興深そうに耳をすまして。
ひそかになった。信長自身が、点前しているものとみえる。茶柄杓から茶碗におとす湯の音が、しずかに聞える。それは量にしては、小柄杓一ぱいのわずかな湯であったが、茶室の静寂をやぶるただひとつの音であった。聞きようによっては、とうとうと滝つぼへおとす千丈の飛瀑とも大きく聞える。
茶筅の音。そして亭主からすすめる。客側がいただく。それらのかそけきうちに交わされる主客の和敬の礼と睦みを、水屋の宗易はやはり前のままの姿で、板敷に凍りついた人の如く聞きすましていた。
一碗また一碗、お正客からおつめまで、一巡すると、やがて亭主の信長も、自服で一ぷくのみながら、客とともに四方山のはなしに交じる。