Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 320 caractères · 398 écrans

Aozora Bunko

れ、治乱久しいものであった。

(――今の京都は、晴れた日の富士のようだ)

秀吉は、洛中に馬を駐めるたびに、ここ二、三年は、いつも同じ感激を抱く。

そして、

(これは、何に依って来たものか)

と、考える。

雲そのものの変化は問題ではない。富士そのものの実存だけが動かない事実である。

けれどその快晴を齎したものは、なんといっても自分の主人信長の力だったと思う。信長がなかったらなお乱雲晦冥の下に、多くの四民は、さる堂上の公卿が日記にも書いているように、

――如何に成りゆく世にやあらん。

と、恟々、安き思いもなく、きょうを送っていなければならなかったろう。

それが、今はどうか。

皇居をめぐる山紫水明のひかりといい、町屋町屋の輝きといい、そこに生業いし、そこに楽しみ、そこに安堵しきっている市民といい、つい一昔前の、室町幕府の治下には、まったく見られなかったものが盈ちあふれているではないか。

誰よりも信長をよく知りぬいている秀吉は、また信長の理想を今眼で見た心地がした。兵馬倥偬の中に、武人として、伊勢神宮を修理したり、禁裡の築土の荒れたのをなげいて、御料を献じたりしていた人に、信長の父信秀がある。